~「活き活きと働く」ということ~
現代の日本において、「働く」という行為はどういう意味を持つのだろうか。自分自身、社会人として労働をし、対価を頂き、それを糧に生活をしていると、当たり前になりすぎてその答えが見えにくくなることがよく有る。
現在、新卒入社の人間が3年で3割辞めていくという統計が頻繁に発表される。「兄弟の少ない世代に生まれてきたから」「巷にモノが溢れて、苦労・我慢することを覚えてこなかったから」etc…人生の諸先輩方は異口同音にそうおっしゃる。それはそれで否定できない要素なのかもしれないが、自分はどうしても自分の中に噛み砕ききれずにいた。根性がどうとか、そんな事ではなく、もっとマクロな視点を持ってこの問題と向き合わないと、抜本的な改善策は見出せないと感じていた。
そんなことを悶々と考えていた自分に、1つの転機が訪れた。会社の上司に声をかけていただき、とあるセミナーに参加させていただいたのである。2007年11月6日、都内某所にて、そのセミナーは開催された。その名も、「ダブルキャリアセミナー」。スピーカーは現在大手出版社に勤めるS氏である。
簡単にS氏の略歴に触れると、彼は早稲田大学出身。学生時代よりネットビジネスなどを手掛け、早くから自分の能力をビジネスというフィールドで発揮してきた人物である。
新卒で現在勤める大手出版社に入社した。現在で入社5年目。話し方とその内容からは、彼がこれまで経験してきた事柄に起因する確かな自信を感じ取る事が出来る。
その夜、彼がお題としたのは、「ダブルキャリア」という生き方・考え方だった。実は、私もこのセミナーに参加させてもらうまで、詳しくはどのようなモノを指すのかは理解していなかった。「ダブルキャリア」という言葉自体は耳にした事は有ったのだが、そこまで
興味を持って話を聴いた事が無かったというのが本音である。
「ダブルキャリア」とは、簡単に言ってしまえば副業の事である。自分自身の持つキャリア・スキル等を活かし、本業とは別にフィールドを設け、そこで「副収入」を得る。そんなスタイルを指す。しかも、ボランティアの延長というようなスタイルではなく、完全なビジネスとして取り組む。
S氏は、27歳という年齢でありながら、2社のベンチャー企業の取締役を務めている。その他にも、個人で業務委託により数社から仕事(主に、新規事業の立ち上げや出版の企画・プロモーションの企画等)の依頼を受けている。実に精力的に仕事に取り組む青年である。
しかも、彼はそれを嫌々こなしてはいない。一見した限りでは、自然体に楽しそうに、充実しているような印象を強く与える人物である。だが、S氏が勤める大手出版社は、中々多忙な会社として社会から認知されている。そんな彼が、仕事の合間を縫って本業以外のところでも自身の可能性を磨いていた。
傍から見たら、明らかに大変そうな仕事量をこなすS氏。しかし、ご本人は至って前向き且つ自然体。その訳を知りたくなって、幾つかの質問をぶつけたところ、数点キーワードが浮かび上がってきたように感じた。それは以下の通り。
*
自分の考え・意見がはっきりしている。
→常に物事を考え、理路整然と自分の意見を発信されていた。まず、目の前に有る現実を受け入れながらも、同時に懐疑的に向き合い、物事の本質を探り出す。
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「今日よりも良い明日」を常に意識して生きる。
→何となく漫然と生きる事が許せない、というか我慢できないタイプの方なのかもしれないと感じた。一つ一つ自分の中で段階を設定し、確実にそのステップをこなすことで確かな前進をされているように感じる
普通に考えると、ごくごく当たり前に求められる事だと思う。しかし、その当然な事を当然にこなせるか否か、それが最も大切なポイントであると感じた。
向上心を持ち続ける為に、自身のキャリアフィールドに制限を持たせず、敢えて自分を新しく、厳しい環境に置いているともいえる。
昨今、「働く意味」を考え、迷っている若者が多いのではないだろうか。今回のS氏を見ていると、「自分の成長」を軸とし、そこから派生して様々なアクションプランを練っているように感じる。しかも、論理的で冷静な思考に基づいたものである。
あまり先々の事にまで想いを巡らさず、まずは目の前の物事に真摯に取り組む事が肝心なように感じられた。将来の事を考えると何かと不安はつき物だが、まずは「地道に積み上げていく」という意識が非常に大切になるだろう。何かと足元がおぼつかない時代だが、そんな時こそまずはじっくり構えて目の前の物に取り組む事が重要なのではないだろうか。
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